目標を達成できるかどうかは意欲とやる気に大きく左右されます。潜在的な問題を解決し、本来持っている関心を生かすことで、それらを向上させることができます。
あなたが達成した最も大きな目標は何ですか?ある人はすぐにこの問に答えることができるでしょう。大学を卒業したこと、子どもを育てたこと、家を買ったことを挙げるかもしれません。より小さな目標達成かもしれませんが、地域のマラソン大会で完走したことや、楽器を演奏することができるようになったこと、病気やケガを克服したことを挙げる人もいるでしょう。
これらのどの目標も容易に達成できるものではありません。人は日々の生活を単になんとなくすごくだけでは、目標を達成することはないのです。目標を達成するには、関心を持つことや必要を感じることが必須であり、粘り強さ、好奇心、エネルギー、そしてやる気が不可欠です。やる気と意欲は、こうした目標を達成するまでのステップを完了するための意思と能力なのです。
意欲とやる気はメンタルヘルス・ミリオンMQH(メンタルヘルス指数)で測定されるサブカテゴリーの一つです。 健全な意欲とやる気を持つということは以下のことを意味しています:
- 困難なタスクや活動に着手し、最後までやり遂げることができる
- 好奇心を持ち、関心を持ち、興奮し、自分の周りの世界に熱中することができる
- 目標達成を妨げる課題と障害を克服することができる
誰しも、何らかの理由で完了できていないタスクがあるはずです。けれども、目標やプロジェクトを完了することに慢性的な困難を覚えているならば、意欲とやる気の低下に悩んでいる可能性があります。意欲とやる気が低下する要因として以下のようなものを挙げることができます:
- 家庭内の問題やコミュニティーまたは地域社会の問題などの、個人の状況
- 苦痛や集中力の低下をもたらす過去や現在のトラウマ
- 集中力の低下や落胆の原因となる身体的な健康問題
- 薬物、ゲーム、ギャンブルなどの時間の使い方を支配してしまう依存症
問題の解決
意欲とやる気が低下している場合、何が起きているのかを確認し、どのようなサポートを受けられるのか、あるいは自分でできる工夫はないのかを考えてみましょう。例えば、うつ病を患っている人はやる気が低下しやすい傾向にあります。カウンセラーが患者に最も良く聞く質問に、これまで関心を持っていたことに興味を失ったかというものがあります。医師やカウンセラーにこうした感情について話すことは、自分に何が起こっているのかを理解する上で大きな助けとなるでしょう。それによって問題に対処することができるようになるからです。
ウェルビーイングの他の要素に気を配ることも、意欲ややる気の向上に役立ちます。例えば、気分や見解、心と体のつながりは、どちらも意欲ややる気と明確な関係があります。
意欲とやる気に関するMHQのスコアが低かった場合、医師や資格を持ったカウンセラーに相談することをお勧めします。専門家はあなたの状況を評価し、何が起きているのかを判断する手助けをしてくれます。米国にお住まいの方は、Substance Abuse and Mental Health Services Administration (SAMHSA) に連絡することができます。暴力的な考えや自殺念慮(願望)がある場合、医師やカウンセラーに相談するだけでなく、お住まいの地域の緊急救命センターに連絡をしてください。また自殺防止ライフラインもご利用いただけます。
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意欲とやる気を高める
意欲とやる気を維持し、向上させる方法を探しているのであれば、参考にできる情報はいくらでもあります。自己啓発やコーチング業界の大半は、まさにこの概念を基盤として成り立っています。
これまで多くの研究が、やる気における内部(内発的)要因と外部(外発的)要因の重要性に焦点を当ててきました。ポジティブ心理学の研究者であるステファノ・ディ・ドメニコ氏とリチャード・ライアン氏は、内部要因から動機づけられる人は「興味深くて、本質的に満足が得られるという理由で活動に取り組む」と述べています。外部要因から動機づけられる人は「報酬を得るため、罰を避けるため、または価値あると考える結果を生み出すため」に活動を全うするそうです。
例えば、サンドラさんは言語学が好きなので、新しい言語を学ぶことには内部要因が働きますが、彼女が嫌いな仕事に行くことについては生活費を稼ぐためという外部要因が働いていると考えられます。多くの専門家は人生の目標を達成するためには、内部要因と外部要因の両方が必要であることに同意していますが、中にはモチベーションの持続には内部要因の方が重要だと考える人もいます。
面倒だと思うようなタスクに対する内部要因を向上させたいと思う方は、短期的なあまり魅力的でないタスクと長期的な大きな目標を結び付けてみてください。例えば、やりたくない仕事をするために毎日出社することは、より望ましい仕事に転職するのに必要な、よい推薦状を得るのに繋がるといった感じです。仕事で嫌気がさしたり、挫けそうになったりしたときは、このことを思い出すと助けになるでしょう。同様に、特に興味がない代数などの一般教養の授業でも、単位を落とさないことで、あなたに取って重要な歴史学の学位取得に繋がります。
誰でも意欲とやる気が低下することがあります。時に気が散ったり、注意力が散漫になることは普通のことです。けれども、もしそのようなことが頻繁に起こっていて、MHQスコアを向上させたいと願っているのなら、根本原因となるウェルビーイングの問題に取り組むことや、動機の内部要因を見つけることが役立つでしょう。